どんぶり・雑炊・おこわ | 伝え継ぐ日本の家庭料理
2020-07-29

どんぶり・雑炊・おこわ

伝え継ぐ日本の家庭料理

どんぶり・雑炊・おこわ

著者:日本調理科学会 企画・編集
定価:本体1,600円+税 発行日:2020/8
出版:農山漁村文化協会(農文協)
判型/頁数:B5変 128ページ

 

本を購入する(田舎の本屋さん)

どんぶり・ぶっかけ・カレーライス

ご飯におかずをのせたり、汁をかけた料理です。鮎やあなご、うなぎなど、地域の名産をのせた数々のどんぶり。旨みたっぷりの汁をぶっかけた深川めしや冷や汁、とろろご飯はするするとのどを通ります。肉の代わりにさば缶やするめを使ったカレーも紹介します。

深川めし(東京都)

かゆ・雑炊

西日本を中心に親しまれてきた茶がゆは、香りのよいお茶でさらりと煮たもので、熱くても冷たくてもおいしいものです。少量の米でも満足でき、消化のよい雑炊は全国でつくられ、かぼちゃやもずくを入れた日常食や、鶏や鮎、かにを入れたごちそうになりました。

かに雑炊(愛媛県)

半つきなど

きりたんぽや五平もちなど、ご飯を半分ついたもち・だんご状の料理です。鶏のだしやくるみのコクが加わった汁で食べたり、えごまやごまのたっぷり入ったたれをつけて焼いたりします。米の代わりにじゃがいもをつぶしてもち状にしたあんぷらもちも紹介します。

五平もち(岐阜県)

赤飯・おこわ

赤飯は北海道から九州まで、甘いもの、小豆以外の豆を使うもの、栗やいもが入るものと多彩です。仏事にも祝いごとにも使われた白いおこわ、くちなしで染めた黄色いおこわ、ごまで黒く見えるおこわ、地域の産物を使った具だくさんのご当地おこわなどが並びます。

蒜山おこわ(岡山県)

(写真撮影 長野陽一、五十嵐公)

はじめに

日本は四方を海に囲まれ、南北に長く、気候風土が地域によって大きく異なります。このため各地でとれる食材が異なり、その土地の歴史や生活の習慣などともかかわりあって、地域独特の食文化が形成されています。地域の味は、親から子、人から人へと伝えられていくものですが、食の外部化が進んだ現在ではその伝承が難しくなっています。このシリーズは、日本人の食生活がその地域ごとにはっきりした特色があったとされる、およそ昭和35年から45年までの間に各地域に定着していた家庭料理を、日本全国での聞き書き調査により掘り起こして紹介しています。

このシリーズでは、ご飯ものを3冊にまとめます。本書では、ご飯におかずをのせたどんぶり、汁の多い具をかけたぶっかけ、かゆと雑炊、きりたんぽや五平もちなどの半つきのご飯、赤飯やおこわをまとめました(*)。
香ばしく焼いた魚をのせたり、うま味たっぷりの貝の煮汁や粘りの強いとろろなどをかけることで、ご飯がたくさん食べられます。洋食風のどんぶりや、するめやさば缶を具にしたカレーライスもつくられました。うるち米の半つきご飯は、収穫祝いにたっぷり食べるごちそうで、ごまやえごま、くるみなどコクのある種実と味噌・醤油の味つけが食欲をそそります。少ない米でお腹を満たすおかゆや雑炊には、毎日でも食べ飽きない茶がゆも、いろいろな具を入れたハレの日の雑炊もあります。もち米のおこわは冠婚葬祭や年中行事に欠かせません。赤飯だけでなく白や黒や黄色に具だくさんおこわと、色とりどりです。ご飯の食べ方の多様性を見渡すことができる1冊になりました。

聞き書き調査は日本調理科学会の会員が47都道府県の各地域で行ない、地元の方々にご協力いただきながら、できるだけ家庭でつくりやすいレシピとしました。実際につくってみることで、読者の皆さん自身の味になり、そこで新たな工夫や思い出が生まれれば幸いです。

2020年8月

一般社団法人 日本調理科学会 創立50周年記念出版委員会

*既刊『炊きこみご飯・おにぎり』では、魚・貝・海藻や、野菜・山菜・豆や肉を炊きこんだり混ぜたりしたご飯と、おにぎりや葉っぱで包むご飯をまとめました。『すし ちらしずし・巻きずし・押しずしなど』と併せてご利用ください。


目次

凡例……4

〈どんぶり・ぶっかけ・カレーライス〉

鮎めし(山形県)……6
深川めし(東京都)……8
さざえ丼(千葉県)……10
しらす丼(神奈川県)……11
ぼっかけ(福井県)……12
あじのまご茶漬け(静岡県)……13
生しらす丼(静岡県)……14
あなごめし(兵庫県)……15
ふなめし(岡山県)……16
さつま(広島県)……17
かつおの茶ずまし(徳島県)……18
鯛めし(愛媛県)……19
さつま(愛媛県)……20
うなぎのせいろ蒸し(福岡県)……22
鯛茶漬け(大分県)……24
黄飯(大分県)……25
冷や汁(宮崎県)……26
とろろご飯(愛知県)……28
とろろ汁(三重県)……29
とろろご飯(兵庫県)……30
うずめめし(島根県)……31
うずみ(広島県)……32
あおさの醤油かけご飯(山口県)……33
豚丼(北海道)……34
かつめし(兵庫県)……35
鶏飯(鹿児島県)……36
ほっきカレー(北海道)……38
するめカレー(群馬県)……39
さばカレー(神奈川県)……40
さば缶のカレーライス(京都府)……41
【コラム】本書で登場するお茶……42

〈かゆ・雑炊〉

おかいさん(和歌山県)……44
茶がゆ(三重県)……46
茶がゆ(奈良県)……47
茶がゆ(山口県)……48
茶がゆ(香川県)……49
焼き米(広島県)……50
大師粥(千葉県)……51
とりどせ(千葉県)……52
鮎雑炊(岐阜県)……53
かに雑炊(愛媛県)……54
おみいさん(徳島県)……56
そば米雑炊(徳島県)……57
鮎ろうすい(徳島県)……58
もずく雑炊(島根県)……60
かぼちゃずうしい(長崎県)……61
といのずし(鹿児島県)……62
フーチバージューシー(沖縄県)……63

〈半つきなど〉

だまこ汁(秋田県)……65
きりたんぽ鍋(秋田県)……66
あんぷらもち(秋田県)……68
しんごろう(福島県)……69
やまもち(新潟県)……70
枝豆ののたもち(長野県)……72
五平もち(長野県)……73
五平もち(岐阜県)……74
五平もち(愛知県)……76

〈赤飯・おこわ〉

甘納豆の赤飯(北海道)……79
赤飯(青森県)……80
まんませんべい(岩手県)……82
てんこ小豆の赤飯(秋田県)……83
花豆おこわ(群馬県)……84
栗赤飯(埼玉県)……86
あわふかし(東京都)……87
赤飯(神奈川県)……88
醤油おこわ(新潟県)……89
甘納豆の赤飯(山梨県)……90
いも赤飯(福井県)……91
栗入り小豆ご飯(兵庫県)……92
栗おこわ(岐阜県)……94
赤飯(徳島県)……95
甘赤飯(高知県)……96
栗入りせっかん(佐賀県)……97
黒飯(茨城県)……98
白ごわい(富山県)……100
落花生のおこわ(静岡県)……101
染飯(静岡県)……102
白むし(兵庫県)……103
みとりおこわ(大分県)……104
おこわ(愛媛県)……105
ごまおこわ(青森県)……106
ごまぶかし(岩手県)……107
山菜おこわ(福島県)……108
富沢こわめし(山梨県)……109
大山おこわ(鳥取県)……110
しょうのけおこわ(鳥取県)……111
蒜山おこわ(岡山県)……112
くまやま栄養おこわ(岡山県)……114
【コラム】本書で登場する豆……115

「伝え継ぐ 日本の家庭料理」読み方案内……116
調理科学の目1 米と豆をめぐる最近の研究から …120
調理科学の目2 おいしいおこわの科学と文化 …122
都道府県別 掲載レシピ一覧……123
素材別索引……124
その他の協力者一覧/著作委員一覧……126
出版にあたって……128